banner

第10回 (2009年11月14日)

「人生生涯小僧のこころ」

塩沼亮潤(しおぬま・りょうじゅん) 氏
第10回県民フォーラム昭和43年仙台市生まれ。
61年東北高校卒業。
62年吉野山金峯山寺で出家得度。
平成3年大峯百日回峰行満行。
平成11年吉野・金峯山寺1300年の歴史で2人目となる 大峯千日回峰行満行を果たす。
12年千日回峰行満行した者にだけ許される四無行満行。
18年八千枚大護摩供満行。

現在、仙台市秋保・慈眼寺住職。
大峯千日回峰行大行満大阿闍梨。

著書に「人生の歩き方」(致知出版)「心を込めて生きる」(PHP研究所)「人生生涯小僧のこころ」(致知出版)

「大峯千日回峰行」とは、奈良県・大峯山の頂上にある大峯山上本堂までの往復48キロの山道を1000日間、1日も休まず歩き続けるという行である。
標高364メートルの蔵王堂を0時半に発ち、漆黒の中を提灯と杖を頼りに延々24キロの険しい山道を登り、8時過ぎに標高1719メートルの大峯山頂に至る。同じ道を下って15時半に帰堂、自ら掃除洗濯、翌日の準備をして19時に就寝、23時半には起床。
これを毎日黙々と繰り返すのです。

ただ、1000日間連続というわけではなく、山を歩く期間は5月3日から9月22日までであるため、千日回峰行が終わるまで約9年かかります。

また、いったん行に入ったならば、決して途中で止めることができないという掟があり、行者は常に短刀と紐を携帯している。
そして、もし途中で止める場合は短刀で腹を掻き切るか、紐で首をくくり、命を絶たなければならない。そのため、紐は「死出紐」という。

5月の山頂は雪が降ることも珍しくなく、6月になると栄養失調になり、梅雨明けとともに猛暑、そして台風や雷のシーズンが訪れ、その頃は疲れもピークで血尿が出ます。加えて、40度近い高熱が出たこと、下痢が止まらなかったこと、心臓の具合が悪くなったこと、いろいろなアクシデントがありました。しかし、行の間は寺の敷地から出ることは許されませんから、医者に診てもらうことはできず、もちろん行を休むこともできない。

山道で、何か足をにつかまれ、ふと気がつく崖っぷちだったとか、マムシや熊、イノシシが襲ってきたり、餓鬼に行く手を阻まれたりしたことがあったようですが、幻覚だったそうです。それが、心が磨かれて 4~500日頃から、如来さまや天女さまの幻覚が見えるようになったとおっしゃっています。

塩沼亮潤氏のお話は非常にわかりやすく、重みがありました。
行を通して学んだことは、「よく反省すること」「よく感謝をすること」「思いやりを持つこと」といいます。

多くの人は自分が悪いと反省することなく生きていることがほとんどです。しかし、そういうことに心を傾けた時に人間は成長します。与えられた環境に感謝をし、生かされているということに感謝をする。
人に対する思いやり、人の身になって考えるということをできるようになると成長が始まるのではないでしょうか。

穏やかな口調の中に真に迫る迫力がありました。

Copyright © 2011~2013 SEIWAJIUKU NAGANO All Rights Reserved.